ジャズ用語一覧 さ行(サシスセソ)
JAZZ用語一覧 さ行(サシスセソ)
サ
サイドシンバル(Side Cymbal)
クラッシュ・シンバルとも呼ばれ、ドラムセットの中で、アクセントをつける際に用いられる。トップ・シンバル(ライド・シンバル)と同じく、リズム・キープにも使われる。
サイドメン(Side-Men)
リーダーやフィーチャーされたアーティスト以外のメンバーのことを指していう。
サヴォイ(Savoy)
1939年ニュージャージー州でハーマン・ルビンスキーが設立したレーベル。チャーリー・パーカー、デクスター・ゴードン、ファッツ・ナヴァロ、キャノンボール・アダレイなどの作品がある。
サックス・セクション(Sax Section)
フル・オーケストラのサックスホーン・グループ。通常、アルト、アルト、テナー、テナー、バリトン・サックスの5管のことをいう。
サッチモ(Sathimo)
ジャズが生んだ最大のスターであるルイ・アームストロングの愛称。トランペッターであり、ヴォーカリストでもあるサッチモは、不世出のエンタテイナーとしてジャズ・ファン以外の人にも広く知られている。とくに、ダミ声が独特の温かみを感じさせる。”この素晴らしき世界”の名唄は多くの人が耳にしているに違いない。
サビ(さび)
曲の中盤に出てくる、それまでのメロディー構成とは違う曲想を持った部分のこと。コード進行や調が変わったりする。英語では「ブリッジ」という。
サブトーン(Sub Tone)
管楽器の息の抜ける音を混ぜたかすれ音、もしくはその奏法。
シ
シーツ・オブ・サウンズ(Sheets of Sounds)
「敷き詰められた音」、転じて、「音の洪水」と訳される、ジョン・コルトレーンのテナー・プレイに対する表現。評論家アイラ・ギドラーが、ダウンビート誌に掲載された「ブルー・トレイン」等の作品に対する論考の中で初めて用いた。シーツ・オブ・サウンズは「ジャイアント・ステップス」で一応の完成をみたとされる。コルトレーンは、コードの細分化を図ることでコードの束縛から逃れようとするモード・イディオムを追求した結果、この奏法を生み出していった。
シカゴ・ジャズ(Chicago Jazz)
1920年代、ニューオリンズからシカゴへと移ってきた黒人ミュージシャンの影響を受けて、シカゴの白人ミュージシャンが演奏したジャズ。
シット・イン(Sit in)
レギュラー・メンバーではないバンドに参加して演奏すること。
シアリング・スタイル(Shirring style)
ジョージ・シアリングが考案したサウンドスタイル。ビブラフォン、ギター、ピアノの三つがメロディーをユニゾンで演奏することをいう。その際にピアノはメロディーをハーモナイズしたコードを弾かなくてはいけない。非常に美しいサウンドから一時期流行した。
ジャズ・ロック(Jazz Rock)
1960年代に登場した当時のロックと結びついたスタイル。
ジャム(Jam)
1990年代後半から盛り上がったジャズやアンダーグラウンド系音楽のスタイル。70年代の「ロフトジャズ」や80年代の「パンクジャズ」などが原型となって、「クラブジャズ」の発展と共に人材を輩出するようになった。ジャム・シーン自体はジャズという枠ではとらえきれないスタイルとなっている。
ジャムセッション(Jam Session)
その場に居合わせたミュージシャンが、自分たちの楽しみのために簡単な打ち合わせだけで即興的に演奏を繰り広げること。
初見(しょけん)
初めて見た楽譜をその場で演奏すること。
シングルトーン(Single Tone)
単音。複数の音を同時に出すことができるピアノやギターなどの楽器で、音を重ねずに演奏することをいう。
シンコペーション(Syncopation)
切り分け音。強い拍と弱い拍を使い分け、リズムに緊張感を生み出す手法。
新主流派(Modern Mainstream)
評論家のアイラ・ギドラーが名付け親で、60年代半ば、メインストリーム・ジャズにあってハーモニーやリズムといった点で時代の先をいっていた演奏を指す。モードを発展させたもので、ハード・バップ、フリージャズ、ファンキー・ジャズなどの要素が取り入れられた。中心となった人物には、マイルス・デイヴィスをはじめ、クインテットのメンバーであった、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、トニー・ウィリアムスなどがいる。
新伝承派(Modern Traditional)
70年代を席巻したフュージョンの時代に終わりを告げるべく、80年代に登場したオーソドックスなスタイルに根ざした4ビートのジャズを指す。彼等は、自分たちが黒人であること、ジャズは黒人が生んだ偉大な文化であることを強く意識していた。ステージでの服装や態度に気を使い、黒人の認識を良い方向へ持っていくように考えていた。また、ジャズを先人が発展させてきたように、自らもその継承者となって発展させていかなければならないとも考えていた。その結果、80年代は再び4ビートの時代になったのである。中心となった人物には。マルサリス兄弟、ウォレス・ルーニー、ケニー・ギャレットなどがいる。
シンバル・レガート(Cymbal Legato)
シンバルを軽く叩いて一定のビートを出すドラム奏法。レガートは音と音との間を切れ目なく滑らかに繋げて演奏すること、もしくはその奏法を指す。
ス
スウィング(Swing)
「揺れる」の意味が転じて、自然に体が揺れ動くようなリズム感のことをいう。「スウィング」しているかどうかは、ジャズとしての絶対条件ともいわれる。
スウィング・ジャズ(Swing・Jazz)
1930年代〜40年代のビッグバンド・ジャズのこと。もともとダンスの伴奏音楽であったが、その後観賞用音楽として認知された。弾むようなリズム、明るいサウンドが特徴的。ベニー・グッドマン、アーティ・ショウ、グレン・ミラー、デューク・エリントン、カウント・ベイシーといったバンドリーダーが活躍した。
スキャット(Scat)
ヴォーカル唱法のひとつ。例の「シュダバダ・・・」というやつ。
スケール(Scale)
音階、音列のこと。CのMajor Scale(長音階)、CのMinor Scale(短音階)など、ジャズでは多くの異なったスケールが使用される。
スコア(Score)
総譜のこと。ある楽曲を演奏するために必要な各楽器のパートがすべて記された楽譜。
スタジオ・ミュージシャン(Studio Musician)
レコード会社の依頼に応じて演奏する音楽家の総称。当初は”黒子”的存在であったが、70年代後半から注目を浴びるようになり、80年代以降のジャズやフュージョンを支える重要な役割を担う存在となった。
スタンダード形式(Standard Form)
1コーラスがA、A、B、A(各8小節)の合計32小節からなる形式をいう。
スタンダード・ナンバー(Standard Number)
多くの演奏者に取り上げられる名曲のことをいう。
ストライド(Stride)
ラグタイムをベースに、インプロヴィゼーションの要素を取り入れていったスタイルのこと。ピアノ奏者の左手が1、3拍と2、4拍でオクターブをまたいでリズムを刻むことから、こう呼ばれた。ウィリー・ザ・ライオン・スミス、ジェイムス・P・ジョンソン、ファッツ・ウォーラー、デューク・エリントン、カウント・ベイシーらが有名。
ストリングス(Strings)
弦楽器によるアンサンブルの総称。
ストレートアヘッド(Straight Ahead)
「純粋な」という意味が転じて、「フォービートの伝統を受け継いだジャズ」という意味で用いられる。ジャズの原理主義的な主張でムーヴメントを起こしたウィントン・マルサリスらが、フュージョンやコンポラリー・ジャズと呼ばれるものと区別するために使い出したことで広まった。
スネア・ドラム(Snare Drum)
いわゆる小太鼓のこと。ドラム・セットの中で最も重要。スネア・サイドと呼ばれる裏皮に、スナッピーと呼ばれる響き線が付いてるのが最大の特徴。響き線の調整で余韻の強弱をつける。
スピリチュアル(Spiritual)
本来は黒人霊歌(二グロ・スピリチュアル)を指す言葉。強い精神性を持たせた音楽という意味にも用いられる。
スムーズジャズ(Smooth Jazz)
「流暢な」という意味が転じて、フュージョン系のジャズを指していうようになった。コンテンポラリー・ジャズのスタイルのひとつ。
スラップ(Slap)
ベースギターの奏法。弾き手の親指で弦を叩いたり、人差し指で弦をはじいたりする手法を指す。「チョッパー」ともいう。
スラップ・タンギング(Slap Tonguing)
タンギングのバリエーションのひとつで、アタックの強い音を出す奏法。
セ
セクステット(Sextet)
六重奏のこと。
セッション(Session)
何人かの演奏者が集まって演奏すること。ジャムセッションを指す場合もある。
セプテット(Septet)
七重奏のこと。
ソ
ソウルジャズ(Soul Jazz)
1960年代初頭に流行った黒人のソウル・ミュージックが取り入れられたスタイル。
ソウルフル(Soulful)
ブルースやゴスペルといった黒人のフィーリングあふれる演奏を指して用いられる表現。
ソリ(Soli)
ソロの複数形。ソロが正真正銘の独奏であるのに対して、ビッグバンドなどにおけるあるひとつのパートをフィーチャーしたパフォーマンスを指す。
ソロ(Solo)
独奏もしくは独唱のこと。演奏者が単独で演奏することもソロプレイという。