サックスのビブラートに効果的な練習方法を分かりやすく解説します!
ビブラートとは、音程を揺らす事で『歌心』を表現するテクニックを指します。
ただ音を揺らすだけなら初心者でも出来ますが、逆にそこが落とし穴。
ビブラートの使い方を間違えると、相手に悪い印象を与えるリスクがあるのです。
今日は、『サックスのビブラートのかけ方・練習方法』をメインに解説します。
本記事の後半では、初心者にありがちな間違ったビブラートについても指摘してるので、ぜひ参考にしてください。
本記事の目次
サックスのビブラートは何でかけるのがベストか?
ビブラートのかけ方は大きく3種類あります。
- 顎でかける方法
- 喉でかける方法
- 横隔膜(お腹)でかける方法
この中で一番、簡単且つ定番なのが、顎でかける方法。
初心者はまず顎を使ったビブラートで練習するのがベストです。
ここで覚えておきたい点として、ビブラートする際は顎・喉・お腹の3つが全て連動しています。
顎だけを使って揺らしてるつもりでも、実は喉の開きが変わってたりするのです。
サックス歴の長い人は、ビブラート時にあまり顎を使ってる感覚がなく、自然とお腹に意識がいく状態になるんですよね。
実際に顎が動いていても、頭の中はお腹でコントロールしてるイメージです。
でも初心者がいきなりお腹だけを意識してビブラートをするのは難しい…。
なので慣れないうちは、顎を上下させる事に意識を向けましょう。
顎を使ったビブラートのかけ方は?
アンブシュアの口の形を「あ」と「う」で交互に繰り返すと、ビブラートが掛かった状態になります。
「あうあうあう・・・」と顎を上下させれば、リードに掛かる圧力が変化して音程も変わるのです。
「あー」がアンブシュアの力を抜いた低い音。「うー」がリードを締め付けた高い音。
「あう」以外に「ホフ」でも良いです。
「あうあうあう」「ホフホフホフ」と2種類試してみて、かけやすい方を選びましょう。
ビブラートに効果的な練習方法とは?
ビブラートをコントロールするには、以下の3つのステップを順にマスターする必要があります。
ステップ1、基準の音を把握した上で一定の波を繰り返す
ビブラートは曲想によって様々な種類があるのです。
情熱的な曲には強い強い波をかけたり、静かなイメージを伝えたい時は弱くしたり、その時の状況によって適切に使い分けないと、ビブラートをかける意味がありません。
ビブラートを適切に使い分けるにはまず、基本の波をマスターしましょう。
基本の波とは、基準の音に対して一定の波を繰り返す事。(以下写真)
例えばソの音でビブラートを吹きたい場合、まずソがどんな音なのか、基準の音を把握します。
ビブラート無しで真っ直ぐにソを伸ばして、チューナーの針が安定してるかチェック。
この時の正しい音程を頭にインプットしてから、今度は真っ直ぐな音を上下に揺らしていくのです。
先ほどの写真(一定の波)をイメージしながら、口の形をあうあうあう・・と繰り返してください。
基準の音に対してどれだけ音程が上下したかは、チューナーで確認するのがオススメです。
上が+20だったら下も−20に合わせ、波を均一に意識しましょう。
今度は+30、−30といった形でさらに波を大きくする。
このような感じで広げていけば、徐々にビブラートをコントロールする感覚を掴めます。
ステップ2、徐々にテンポを早くする
ゆっくりなテンポから徐々に早くし、ビブラートの速度をコントロール出来る状態を目指します。
まず4部音符テンポ60で、1拍に対して1つの波をかけていきましょう。
あう・あう・あう・あう・・
ビブラートしてるおっさん
今度は8部音符で、1拍に対して2つの波をかけていきます。
あうあう・あうあう・あうあう・あうあう・・
ビブラートしてるおっさん
これが出来たら3連符、16部音符までやる事。
テンポ72の16部音符まで出来れば十分です。
ステップ3、偉大なサックス奏者のかけ方を研究する
ステップ2はあくまで、ビブラートをコントロールするための練習法であり、曲にそのまま使うのはおすすめしません。
曲を吹くときは機械的な波ではなく、音楽的なビブラートにする必要があります。
偉大なサックス奏者の演奏を聴けば、音楽的なビブラートが何かわかるでしょう。
アルトサックスでビブラートが参考になるプレイヤーは以下の通り。
- アート・ペッパー
- ジョニー・ホッジス
- チャーリー・パーカー
- キャノンボール・アダレイ
- ルー・ドナルドソン
- ポール・デスモンド
上記メンバーの演奏をユーチューブで聴いて、どんな場面でどんなビブラートのかけ方をしてるか研究するべきです。
あらかじめ自分の吹きたい曲が決まってれば、その曲を演奏してる動画を調べるのもアリだと思います。
有名曲であれば、すでにユーチューブでアップされてる可能性が高いですからね。
ビブラートをかける際のコツ・注意点とは?
続いてはビブラートをマスターするコツ・注意点を3つ紹介します。
1、強くかけ過ぎない
ビブラートを強くかけ過ぎると、『演歌調』のしつこい印象を与えてしまいます。
もちろん強調したい時は強めにかけて良いですが、必要以上にかけないよう注意です。
ビブラートは軽くかける位が丁度良いケースがほとんど。
特にサックスはビブラートが掛かりやすいため、普段から強くかけ過ぎない意識をするべきでしょう。
2、目的を持ってかける
「なぜこの場面でビブラートをかけたいのか?」という、目的を持つのがオススメ。
例えばこの曲は燃えるように情熱的に吹きたいという場合、要所要所で強めにビブラートをかけます。
逆に静かな場面で強めに吹くと雰囲気が台無しです。
なぜここでかけたのかというのが、ざっくりで良いから説明できる事が大事。
「〇〇なイメージを伝えたいから〇〇めのビブラートをかけた」と、自分で納得出来るようにしましょう。
3、アンブシュアを崩さない
サックス奏者がビブラートを吹いてる時、口元が一切動いてないのが分かります。
もしビブラート時に口がもぐもぐ動いてしまうと、音自体が崩れてしまうのです。
安定して音程を上下するには、不意にアンブシュアを動かさない事が大事。
アンブシュアを固定したまま、顎だけを上下に動かす癖をつけて下さい。
まとめ
サックスでビブラートをマスターするには、機械的で良いので一定の波を繰り返す事。
感情や音楽的なことは忘れて、段々早く正確にビブラートをコントロール出来る状態を目指しましょう。
それからようやく、サックス奏者の演奏を見て、どんなかけ方をしてるか研究するのです。
ビブラートはその時によって様々な表現があるため、正解はありません。
幅広いサックス奏者の演奏を聴きつつ、自分が理想とするビブラートをイメージして下さい。
そのイメージを曲で再現出来ればOKです。
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