viivaは怪しい?高額テラヘルツメーターを使うも効果なし

アメリカに拠点を置くMLM(マルチレベルマーケティング)企業「viiva」は、テラヘルツ波を利用したとされる美容・健康器具を販売しています。
私の両親は、とある有名なスピリチュアル系YouTuberに強く勧められ、viivaの高額商品を2点購入しました。
総額は20万円以上で、いずれも「テラヘルツメーター」と呼ばれる製品です。
本記事の目次
両親の感想:「なんとなく体調が良くなった気がする」
両親はもともとスピリチュアルな世界に関心が高く、「肩こりが治った気がする」「前より元気になった」と話しています。
しかし、こうした感覚は、プラセボ効果(思い込みによる症状の改善感)で説明できる可能性が高いです。
プラセボ効果とは?
プラセボ効果とは、「効くはずだ」と信じることで、実際に体調や症状が改善してしまう現象のことです。
医学的にも有名で、偽薬(成分のない薬)を与えても、患者の3割ほどが何らかの改善を感じるという研究結果があります。
ポイントは、「効果を信じる」ことそのものが脳と自律神経の働きに影響するということです。
血圧や心拍数、痛みの感じ方は脳の働きに左右されるため、「この機械はすごい」と思い込めば、一時的に不調が軽くなったように感じるのです。
人間の体はもともと自然に回復する力を持っている
もうひとつ忘れてはいけないのは、自然治癒力です。
人間の体は常に細胞を修復し、免疫がウイルスや細菌を排除し、怪我や炎症を回復させています。
例えば、軽い筋肉痛や肩こり、疲労感などは数日〜1週間もすれば自然に改善することが多く、そこに「機械を使った」という要素が加わると、あたかも機械のおかげで治ったように錯覚してしまうのです。
つまり、「テラヘルツメーターを使ったら良くなった」という感覚は、プラセボ効果+自然回復の可能性が非常に高いのです。
実際に私が使ってみた感想
私自身も一定期間、両親のテラヘルツメーターを試しましたが、健康面での変化は全く感じませんでした。
足に当てるタイプは確かに温かくなり、冬場は防寒に便利ですが、それ以上の効果はなし。
また、ドライヤー型は「痛みが取れる」「髪質が改善する」と説明されましたが、普通の市販ドライヤーと変わらず、髪の状態も特に変化はありませんでした。
科学的に見たテラヘルツメーターの効果の有無
テラヘルツ波とは、0.1〜10THzの周波数を持つ電磁波で、半導体検査や非破壊検査など工業分野では活用されています。
しかし、人間の健康改善効果については科学的根拠が存在しません。
理由は以下の通りです。
生体への作用は未解明
テラヘルツ波が細胞や血流に直接作用するという確実な医学データはありません。
現状は「可能性がある」というレベルに留まっています。
温熱効果は物理的な加熱によるもの
「血流が良くなった」と感じるのは、テラヘルツ波の特性ではなく、単純に機械が発する熱で温められた結果です。
これはカイロや普通のドライヤーでも同じ効果です。
宣伝文句と現実の乖離
「細胞を活性化する」「免疫力アップ」といったフレーズは、現時点では根拠不足。
医療機関や論文による裏付けがない以上、科学的とは言えません。
viivaのビジネス構造と転売市場の現状
viivaはMLM(ネットワークビジネス)の形式をとっており、販売員は商品を購入して他人に勧誘・販売することで報酬を得ます。
このため、商品の性能よりも会員拡大による利益確保が優先されがちです。
さらに、メルカリではviivaのテラヘルツメーターが大量に低価格で出品されており、中古市場では原価割れが当たり前の状態。
この状況では、仕入れて再販しても利益を出すのはほぼ不可能です。
スピリチュアル系YouTuberの影響力
両親に商品を勧めたスピリチュアル系YouTuberは、viivaのドライヤーを使って「髪がツヤツヤになった」「すごい技術だ」と絶賛していました。
しかし、私のように効果を感じなかった人間も存在することは事実であり、全員に同じ効果があるとは限りません。
結論:購入は慎重に
- 科学的根拠のない健康器具に高額投資するのはリスクが高い
- プラセボ効果と自然治癒力が「効果があった」と錯覚させる可能性大
- MLM構造の商品は転売価格が暴落しやすく、ビジネス化は困難
テラヘルツ波は確かに先端技術の一つですが、現時点では健康器具として信頼できる裏付けはないため、購入を検討する場合は冷静な判断が必要です。